mrhiyorigeta’s blog

思いつくままを気の向いた時に、散歩をするような日記です。

 以下は小生が担当する流通コラムの抜粋です。

 

  情報が溢れきり、擦れきっている現代の消費社会にあっては、企業やブランドもあっという間に使い捨てにされてしまう。だから供給側は、常に買い手を驚かせ、感動させ、共感させていかなければならない。言うは易く行うのは難しなのであるが・・。今回は、巧拙2例を取り上げる。

 

 営業路線の転機にある大塚家具

 

 1990年代に成長した家具売りの大塚家具が揺れている。会長である創業者と現社長の対立がこじれ、黒白は株主総会でつけようということになり、結局は番狂わせで社長側が勝利した。週刊誌ではお家騒動、親娘喧嘩などと面白おかしく三面記事的に報道するところもあるがこれは流通問題である。大塚家具のビジネスモデルが転機にあるのだ。事実、同社の全店売上は2014年5月以降この2月まで10か月連続で前年比を下回った。この間、新店舗を1店増やしているのだから言い訳は通用しない。大塚家具は元三越(現在は三越伊勢丹ホールディング)の家具売り場を受託し実績をつくったのが成功のきっかけだった。その後、独自出店するようになったが営業のやり方は変化していない。出迎えから帰るまで客のそばを離れない密着商法である。よく言えば徹底したコンサルティング販売とは言えるが、百貨店のテナント時代と基本は同じである。実際にこのやり方でデフレ下も業績を挙げてきたのだから創業者の自信は揺るぎがない。反面、煩がられる。時代は変わっても過信する本人はそれに気がつくことはない。もっと客が気軽に店内を見て回れるように売り方を変えよがう。これが現社長の考えである。どちらも正解という気がするが・・。やはり流通業には寿命があるのか、一度作り上げた商法が永久に続けることはできない。ヤマダ電機マクドナルド、大型スーパーなどかつて市場を席巻した会社がいずれも成長の壁にぶつかっている。

 

 

 

 

 

 常に驚きを与えるユニクロのモノづくり

 

 ユニクロの好調ぶりが止まらない。2015年8月期の2月度までをみても既存店売上は8%超の増加である。客数は僅かに減っているが客単価の伸びが大きい。当たり外れの大きいアパレル小売りを考えると素直に評価できる数字である。うまくいっている要因を考えよう。まず思い起こすのが積極的な広告だ。週末の新聞には必ずと言っていいほど勧誘チラシが入る。そして割引商品を掲載し来店を促す。もっとも販促だけではひねた現代の消費者がモノを買うことはない。やはりユニクロのいいところは商品づくり面にあるといえる。例えば同社では最近、「セルビッジ・ジーンズ」を発売した。これはシャトル織機という旧式の織機で織られたデニムでつくられたジーンズでデザイン面や適度に色落ちする点でマニア向けに人気が高い。また別の例では、貴族出身で国際的なトップモデルとなり、その後デザイナーへ転身し特に女性に人気の高いイネス・ド・ラ・フテサンジュとのコラボファッションも提供している。情報過多のなかで消費者は忘れっぽくなり、ときには無感覚に至る。小売業としても消費者に驚きや感動を与え続けなければならない。その点でユニクロは成功している。