晴れた日は日和下駄履き街歩き

思いつくまま、気の向くまま。

日和下駄-15年6月4W

日和下駄 6/21(月)〜27(土)

 

 中世船橋の坪井城址を自分なりに比定する、それしても私たちの国は成長には熱心だが歴史を軽く見過ぎる。歴史の痕跡など皆無に近い。

 

 国学院神道を学ぶ、この日は神仏習合がテーマだ。何でも受け入れて自分のものとしてしまう。これが日本の神道の歴史だ。日本の形でもある。寛容というか信念がないというか、いい意味でも悪い意味でも。イスラム教キリスト教とはまるで対極の世界である。

 

 小生が産土の杜と勝手に決めた深川の富岡八幡宮へお参りする。地元の船橋神宮へも。神社はどこも清浄だが各社で雰囲気が微妙に違う。”気”の流れ方というか、性格とでもいうべきか・・。富岡はどこかうちとけた感じだし船橋はおごそかな雰囲気だ。祭神の違いだろうか?(富岡は八満神、船橋はアマテラス)。いずれにせよ社の格式や大小を問わず、自分の好きなお社を見つけておいて折にふれてカミ様に合いに行くことはいいことだと思う。気持ちがよくなりますよ。

 

 引き続き青空文庫で「万葉集研究」(折口信夫)、「海上の道」(柳田国男)を読む(ほとんど理解できないが・・)。

 

 「事前に消費者調査をし過ぎると(商品が)多機能になり過ぎる、消費者行動を観察して機能を磨き込む」というダイソン流マーケティングに納得する。日本の大手の家電品メーカーの対極を行っている。

 

 「消費者にとって、(企業の)店舗数や売上高など規模による一番など規模による一番など無意味。身近な店の品揃えやサービスが良ければそれが一番店だ」。そのとおり。小生は多くの流通企業が、既存店を良くすることをそっちのけにして店舗拡大ばかりに走ることに常から不満をもっている。

 

 微力ながら小生も応援していた募金活動グループ「かよちゃんを救う会」の目標額が集まったようです。かよちゃんはまだ2歳にもならないのに、これからアメリカへ渡って心臓の移植手術を受けるそうです。かよちゃん、早く良くなってね。

 

  以下は執筆する雑誌の7月号に掲載した小生の文章です。

 

相次いで保育所開設に動く総合スーパー

 総合スーパー大手が認可保育所を開設する動きを強めている。セブン&アイはこの4月、首都圏の神奈川・川崎市と千葉・鎌ヶ谷市のショッピングセンター2カ所で保育所を開設した。まずは試行段階だが状況を見て拡充する。総合スーパーなどでも展開を進めることを目論む。イオンも18年春をめどに各都道府県1カ所以上の開設を目指す。一方が新機軸を打ち出すとすかさずライバルが追随するという相変わらずの同質競争の構図ではあるが、今回の保育所運営競争は素直に評価したい。まず保育環境の質向上につながる。待機児童の解消という目標は大事だが、ただ数を増やせばそれで育児の大目的が達成されるわけではない。社会責任をもつ大手流通が参入することで保育の質が高まることが期待できる。次は小売りの商機拡大に寄与することだ。保育所と日常品の買い場である小売業とは親和性が高く苦戦を続ける本業活性化にも寄与できるはずだ。望むらくは、これが契機となって今後、二の矢、三の矢のコト消費への業態開発に繋がって欲しい。一時、高らかに標榜された小売業の生活総合産業化は未だに実現していない。それが現実のものとなれば喧伝されるスーパー衰亡論などはおとぎ話となるだろう。託児所以外にも発想はいろいろ考えられる。街中で行き場を失っている定年退職者が図書館に屯する。またせっせと散歩に精を出している。彼らの行き場所にスーパーは貢献するべきだ。落ち着いたカフェ、有料の図書室などが考えられる。もっと踏み込んで、レンタル書斎などはどうだろうか? 居心地のよいデスクとチェア、インターネット設備(PCは持ち込み)、プリンター、美味しいコーヒー、月5000円なら払ってもよい。

 

足元固めで再成長を模索するヤマダ電機

 ヤマダ電機がこのたび一部店舗の閉鎖を決めた。全国のヤマダ店舗の数は1000店を超える一方、今回の閉鎖は40店舗弱であり、自社チェーン間競合を起こしている店が中心とされる。小売りチェーンにとって、不採算店を閉め足元を固め再成長の軌道の道を探ることは通常の経営行動であるから驚きはない。もっともこれが転機となり同社の従来からの成長戦略が変更を迫られることは確実だ。同社は1990年に、郊外立地・大型店・パソコン重点化という業界初の発想で成長した。その後は専ら買収で企業規模を大きくし総合化の道を走ることとなる。ダイクマぷれっそホールディングスキムラヤセレクトベスト電器などを買収で傘下に収めた。販売構成も大きく変わり、今ではテレビや白物家電が売り上げの6割を占めるに至り最盛期の面影は薄い。住宅を作り売ることまで始めた。初めは尖り鋭かった切り口が成長拡大の中で今は鈍くなってしまった、という状況に陥っているのがヤマダだと言える。いったん立ち止まった形のヤマダであるが、次はどこを目指すのか。住宅建築及びリフォーム市場だろうか。住宅を建てて売れば家電も売れる。高齢化で改築需要も大きい。11年に住宅メーカーのエス・バイ・エルを買収したのはその布石であろうか。

 

ハンドメイドマーケットのECモールの出現

 メーカーが小規模かつ多数、また小売り段階も同様というとき卸の機能が最も発揮される。卸はそこで売り手と買い手をマッチングさせる役割を果たす。川の上下が共に大企業という現代の多くの流通においてはこの構造は崩れつつあるが、今でもメーカー、小売り共に中小・零細という業界はまだ多い。例えばハンドメイド市場だ。作り手は一品からの創作品を作る作家である。買い手は自分のためのオンリーワンを所有したいこだわり消費者だ。しかしニーズはあってもビジネス化は至難だ。作家が自分の作品を小売りするサイトを開設しても、それに素早く反応してくれる消費者はごく稀なためだ。つまりは両者をマッチングさせる卸機能が欠落しているのだ。しかしこの数年で状況は大きく変わりつつある。インターネット上でハンドメイド作品を簡単に売り買いできるよう、作家と消費者を結びつけるサイトが次々と誕生している。mine(ミンネ)、tetote(テトテ)、creema(クリーマ)、iichi(イイチ)などが主要なものだがまだまだ多くあるらしい。もっともまだ萌芽段階であるうえ、現物を手に取って鑑賞できないという難点はあるが、需要は相当程度ある。画期的な流通であると言える。まさにネットの可能性は無限だと思わざるを得ない。

 

卸機能の絞り込みで活路を図る

 大手卸には機能の総合化・商圏の広域化という定石がある。一方、中小卸でも機能を絞り商圏を広げるという定跡があるはずだ。ミヤイリの例を紹介する。同社は東京中央区・横山町の繊維問屋街に立地する従業員約50人の現金問屋である。顧客は大手卸が相手にしない中小の小売店であり、同社の会員になって店に出向き即金で決済し商品を持ち帰る。扱う商品は婦人用のトップス、ボトムス、肌着主体であり、ファッションテイストよりもコモディティ色が強い商品ばかりだ。グンゼやBVDなどNB商品は横山町で最大の品揃えと価格の安さを目指す。自社企画品やノーブランド商品が多いのも特徴である。回転率を重視した経営で月1.5回転、年間18回転を目標とする。つまりは、商品面では、総合化を避けつつ得意なコモディティ分野で圧倒的な品揃えをもち、プライベートブランドを充実させ在庫の高回転を図る。販路面では、大型店との取引をせず中小店を会員化し固定化を図る。流通機能面では、金融機能、物流機能を捨てキャッシュ&キャリー業態に特化する。つまり卸機能の断・捨・離で活路を図る商法である。集客力ある横山町だから可能との見方もあろうが、中小卸の戦い方として評価したい。