晴れた日は日和下駄履き街歩き

思いつくまま、気の向くまま。

12月3日(2017)

曇・晴・快晴。 永井荷風誕(1879)。蓮は荷とも書き敗荷(やれはす)は季語。「風の来てさらに敗荷を荒らしけり」(土井木賊)。荷風俳人の顔ももつからそれが雅号の謂われかもしれない。別の説もある。中学時代、入院先の看護婦に壯吉少年は一目惚れ。彼女の名は「蓮」だった。自他とも認める偏屈居士の若き純情ぶりだ。彼は自ら回想している。少年時代にあれほど漢詩や江戸の戯作に浸りこまなければ、人嫌いせずまともに生活を送ったろう、と。一方、荷風の書いた文章は、そんな性格を感じさせず透明で美しい。人間とは不可解だ。