晴れた日は日和下駄履き街歩き

思いつくまま、気の向くまま。

9月21日(18)

雨。22.3-23℃。大陸高気圧が優勢になりつつ。

 ○Touch

◆磐が根の こごしき山を 越えかねて 哭には泣けとも 色に出でめやも(万301)

@この苦境を脱することができるだろうか。わが身の不運に大声で泣きたい気持ちだ。そんな私の不安な心情が他に知られるのが怖い。

*作者は長屋王。政界の超エリート、祖父は天武天皇、父は太政大臣律令制を完成させた藤原不比等の信任もあつい。トントン拍子の出世で瞬く間に政界トップの座に就く。しかし頂上に到達したら後は降りるしかない。しかし彼は降り方を知らなかった。不比等から陰謀家のみ受け継いだ藤原四兄弟の策略にかかり自死に追い込まれる。彼は味方を作れなかった。

 

◆しののめの 空霧わたり 何時しかに 秋の景色に 世はなりにけり(紫式部

@夜明けに独り庭にいる。陽が昇る前の空には霧が立ち込めている。気のつかないうちに秋の気配が漂っていることだ。