9月4日(18)
曇、時に雨。26.2-30℃
○Idea
◆「ローマ人の物語」で思う、文明文化も寿命をも、突破者の存在。
○Touch
◆わが背子を 大和へ遣ると さ夜更けて 暁霧に わが立ちぬれし(万105)
@最愛の弟を私は追い返すように大和の地へ戻してしまった。許して、私の力ではお前を守ることはできない。
*作者は大来皇女。2歳離れた実の弟、大津皇子を思う歌。2人の父は天武天皇、母は大田皇女、天智天皇の娘だが兄弟の幼い頃に亡くなる。すると同じ天武に嫁いだ妹の鵜野讃良が皇后となり子の草壁皇子が皇太子となる、明らかに後ろ盾の有無による。ただ大津皇子は文・武・人に優れ、政務を取り人望を集めた、ライバルの草壁は凡庸だったらしい。しかし天武が亡くなると草壁を天皇位につけたい皇后から謀反の疑いをかけられ、身の危険を感じた大津は、伊勢の斎女となっていた、唯一の肉親の大来皇女の元へ奔る。しかし無力は大来も同じこと、彼女は弟に絶望の歌を送る。大津は落胆し大和へ戻ることとなる。そして万策尽き自らの命を断つ。優秀だったはずの大津皇子はなぜ与党を組織しなかったのだろう。
◆夏木立 宮ありそうな 処かな(子規)